エネルギー・トランジションとグリッドサポート

従来の発電機の再利用

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Tolk Power Station - photo courtesy of EME Engineering Inc.

世界中でインバーターベースの再生エネルギーが電力パワーグリッドに増えるにつれ、既存の火力発電所や原子力発電所が廃炉されています。その為、これらの大型回転機器により供給されていた、無効電力、慣性、事故電流が失われています。

これまでの蒸気タービンや発電機を再利用することで、これらを同期調相機として利用することが可能です。既存のグリッド接続や制御システムのメンテナンスと切り替えは、新しい発電設備を実装することに比べ、低費用かつ短期間で可能です。

オーストラリア電力市場運営者(AEMO)が発表した報告では、以下のような潜在的な利点が指摘されています。

  • 同期調相機の新設は逼迫した国際市場の中では、既存設備を再利用した方が、短期間での実装が可能です。再利用では新規投資に30ヶ月以上かかる場合もあれば、一部では12〜24ヶ月での完了が見込めます。
  • より大規模な既存発電機を再利用すれば、新設の同期調相機より高定格を得ることができます。
  • 多くの場合、同期調相機の新設より再利用の方が費用が抑えられます。

SSSクラッチは、既存のシステムのタービンと発電機の間に追加することができます。減速ギアボックスがある場合でも、多くの場合、タービンや発電機を移動させることなく設置可能です。既存のギアボックスは、SSSクラッチをクイルシャフト方式で組み込んだ新しいユニットに置き換えられます。

もうひとつの方法としては、タービンを切り離し、SSSクラッチ付きのポニーモーターを取り付けて発電機を運転速度まで加速させる方法があります。この場合、タービンは必要に応じて季節ごとに機械的に再接続することが可能です。

SSSは、既存の設備にクラッチを追加する方法についてアドバイスすることができます。これにより、古い発電所を再活用し、エネルギー転換に貢献することが可能です。