事例紹介

インターマウンテン・パワー

Application
シングルシャフトコンバインドサイクル(CCGT)
Country
USA
Year
2023
Power
250MW
Type
320T
Article lead image
Intermountain Power, 2 off new CCGT sets with old coal fired units to right - by Braddah n8, licensed under CC BY 4.0,

インターマウンテン・パワーは、古い石炭火力発電ユニットを、水素で運転可能な高効率コンバインドサイクル・ガスタービンに置き換えることで、将来に向けた準備を進めています。

Intermountain Power Renewed(IPP Renewed:インターマウンテン・パワー再開発プロジェクト)は、ユタ州デルタにある1,800MWの石炭火力発電所を大幅に改修・再開発するプロジェクトであり、2025~2026年の運転開始を予定しています。石炭火力を廃止し、三菱パワー製M501JACコンバインドサイクルガスタービン2基(合計840MW)へ置き換えます。この設備は30%のグリーン水素混焼が可能で、2045年までに100%水素燃焼を目指しています。

1980年代に建設された当初の発電所は、南カリフォルニア地域における主要な電力供給源として機能しており、2024年にはロサンゼルスの電力需要の11%を供給していました。カリフォルニア州が2045年までに電力を100%カーボンフリー化することを義務付けた法律を制定したため、この発電所は石炭燃焼を停止する必要がありました。2019年には、設備の寿命を延長するとともに排出量を削減することを目的として、このサイトを「グリーン水素対応」のコンバインドサイクルガスタービン(CCGT)発電所へ転換することが決定されました。

新設設備では、カリフォルニア州向けの高圧送電設備、水利権、さらには大規模水素貯蔵に適した地域内の天然塩ドームへのアクセスといった既存インフラを有効活用しています。

ユタ州デルタからカリフォルニア州アデラントまで488マイルにわたるHVDC(高圧直流送電)送電線のルート図。画像提供:Intermountain Power Agency

三菱製CCGTプラントは、水素燃焼対応技術、64%を超える高効率性能、さらに再生可能エネルギーの出力変動を補完する高い運用性を備えた設計となっています。シングルシャフト構成を採用することで、従来のマルチシャフト構成に比べてコンパクト化、建設コスト低減、高信頼性を実現しています。

このサイトには、再生可能エネルギーを電源とする220MW規模の水電解設備(水を電気分解して水素を製造する設備)も導入される予定です。Chevron New Energies(シェブロンの新エネルギー事業部門)とMitsubishi Power(三菱パワー)が共同で開発する本プロジェクトは、電力会社向けの大規模なグリーン水素(再生可能エネルギー由来の水素)製造を実現し、インターマウンテン・パワー再開発プロジェクトにおける水素利用を支援します。

各シングルシャフト型コンバインドサイクル発電設備には、2台のSSSクラッチが採用されています。320TサイズのSSSクラッチは蒸気タービンと発電機の間に配置され、ガスタービンの単独起動を可能にするとともに、排熱回収ボイラから必要な蒸気が供給されると蒸気タービンを自動的に連結します。120TサイズのSSSクラッチはターニングギヤ装置に組み込まれ、低速運転時にタービンロータの熱変形や曲がりを防止するため、タービン軸を自動的に回転させます。

組立て中のサイズ320T SSSクラッチ